両親を失ってから伯母姉妹のもとで育てられたポールは、話すことができません。そして、笑うことも。
毎日、シューケットを食べつつピアノを弾いては、公園に行ってサンドイッチをかじります。その姿は、まるでもぬけの殻。
伯母姉妹の望みは彼を一流のピアニストにすること。かなりの腕前をもつポールですが、なにかが欠けているようでコンクールは落選つづき。
あることがきっかけとなり、ポールは階下に住むマダム・プルーストの部屋へこっそりと通うようになります。
その目的は、ハーブティー。
マダム・プルーストのハーブティーは、ポールを過去へと、懐かしいママの記憶へと呼び戻す力をもっていたのです。
彼はまずいお茶を無理矢理マドレーヌで流しこみ、ママとの失われた時を求めて旅をはじめます・・・。(→予告を見る)
マダム・プルーストって ・・・ 私の同業者??
マダム・プルーストいわく、「記憶は、魚と同じ」だと。こころを池にたとえて、こんなふうに表現しています。
「池(こころ)の表面には、なにもないように見える。でも、釣り人が魚(記憶)の好きそうなものを投げこむと、釣れるのだ」と。(たしかに、たしかに〜!こころの表面はシ〜〜〜ンとしていても、こころの底では記憶という魚がうじゃうじゃ動きまわっているのですよね〜。そして、悪さをします。)
彼女は「ハーブティーを使ってトランスに導き、音楽というエサで記憶という魚を釣りあげ、過去への癒しをもたらす」という、いわばヒプノセラピスト(?)だったのです。(お〜☆わたしも是非来週からこのセラピースタイルに変更いたしましょう!まずいハーブティーとマドレーヌを用意しなくちゃね!笑)
赤や緑をきかせたヴィヴィッドな映像は、どこかアメリのよう!と思っていたら、同じプロデューサーさんでした。
凝ったお部屋のインテリアや壁紙、小物や不思議なオブジェなど、観ていて楽しいです。登場人物も個性的!
予備知識がなにもなかったので、「いったいこれはどうなる・・・?!」と引きこまれました。
こういう先行き不明な映画、わくわくします。そして、エンディングも好き。また観たくなります♡ (ポールは、笑顔になれたかな〜〜?)
PS. ちなみに、ポールとそのお父さんは同じ役者さん。まったく対極のふたりをみごとに演じています。
そして・・・私たちは自分がしっかりと愛されていたことに、まだ気づききれていないのかもしれません。