うつうつとした毎日を過ごしているとき、自分宛に一通の手紙が送られてきて、もしそれを読んで心に灯がともるように感じて前向きな気持ち、やさしい気持ちになるとしたら ・・・ その手紙とはいったいどんなことが綴られている手紙なのでしょう?
もちろん自分宛なので、自分に語りかけてくれるような手紙なのですが・・・。
この作品の主人公であるマギーは高校生。大好きなバンド活動もうまく進まず、人間関係も勉強もいまいち、母との関係もぎくしゃくケンカばかり。マギーは人生そのものに行き詰まりを感じて、こころが荒れはじめていたとき・・・、
自分宛に一通の手紙が届きます。その手紙を読んでいるそばから、マギーの表情はやわらぎ、こころが変わりはじめます。
こころが変わる・・・ということは、まさに人生が変わりはじめるということ。
マギーはまったく身に覚えのないその差出人をなんとかつきとめることに成功し、ひとりの老紳士と出会います。
彼は日々、自分のことばのちからを手紙に託して、電話帳で無作為に選んだ人々に送っていたのです。
彼のことばのちから ・・・ それは過去においては人を攻撃し傷つける道具でもあったのですが、彼はあるときから自分のことばのちからをいいことだけに使おう、と心に決めたのです。
その老紳士とふれあううちに、マギーも自分自身を与える人生を学んでゆきます。
たったひとりでもほんとうの自分の姿を信頼してくれる人があらわれただけで、こころは甦りはじめます。
私たちが幸せを感じられる条件っていったいなんでしょうか? どうしたら幸せになれるのでしょう?
もっと、○○だったら・・・ と、今の状況が変わって自分や周りや環境がバージョンアップすることを望みがちです。あの人がこうだったら、もっとお金があったら、自分の外見がこんなだったら、こんなことが起こったら ・・・・と。
でも、自分のこころがパサパサのままだったら、どんな状況に身を置こうとも、いつだって自分の世界はパサパサなのです。
この作品は、「幸せって、外からやってくるもんじゃないんだよ。自分の内側からわき出してくるものなのだよ。外に与えてごらん。自分のギフトにも相手のギフトにも気づけるから。そうして、あなたの世界は変わってゆく」ということを教えてくれています。
自分が誰かのこころに灯をともすときに、同時に自分のこころも着火しているのです。(まさに、与えるものは受けとるもの♡)
この老紳士の言葉のなかに、たくさんのステキなこころあたたまるフレーズが登場します。
「人には神から与えられた才能がある。だから、それを磨きなさい。そうすれば、人に祝福を与えられるようになる。そして、与えたものとは、まさに自分が受けとるもの。自分こそが祝福を受けとれるようになる。世界は鏡なのだから。だから、自分の才能を、人を祝福することこそにに使いなさい」
人を祝福する、というとむずかしく感じるかもしれませんが、「ただ、あるがままを受け入れて称えてあげる」こと、「あなたは何も間違っていない、そのままで大丈夫なのだと伝えてあげる」こと。
私たちにとっていちばんの癒しとは、たったひとりの人からでいいから「それで大丈夫なんだよ、あなたでいい♡」と言ってもらえることなのだと感じます。
このおじいちゃんが、自分にもやさしく語りかけてくれているようで、こころがあたたかくなる作品です♡