”プロヴァンスの〜〜”というネーミングだけで人が集まるぐらい、日本人はフランス、プロヴァンス地方が大好き。あのピーター・メイルのかつてのベストセラー「南仏プロバンスの12ヶ月」の影響でしょうか?素朴な、でもとても心豊な田舎生活をイメージいたします。
そのピーター・メイル原作の映画が、「プロヴァンスの贈りもの」。でも、ぎょっといたしました。監督と主演が、リドリー・スコットとラッセル・クロウ。あの「グラディエイター」コンビではありませんか。まさか、のどかなプロヴァンスで、猛獣と食うか食われるかの死闘ですか〜?
どうなることか・・・と観てみたら、よくあるまったりゆるゆるのプロヴァンス映画とは違って、とてもテンポがよくって楽しいコメディに仕上がっています。
プロヴァンスに住むおじさんの遺産を相続することになった超仕事人間のマックス。人生のすべてが金・金・金のやり手トレーダーの彼にとって、相続でプロヴァンスに滞在することすら面倒なきわまりないのです。お留守中の仕事はトラブル続きで失職にまで追い込まれそうななか、幼少時代をすごしたプロヴァンスのぶどう畑、テニスコート、プールなどの思い出をたどりながら失っていた人間らしい感覚をゆっくりと取り戻してゆきます。
じつは亡くなったおじさんの遺産とは、屋敷よりもぶどう畑よりも、マックスを人生の楽しみ、豊かさに目覚めさせてくれたこと。亡くなったおじさんとの少年時代の回想がなんとものどかで美しくって、「ああ、こんな暮らしっていいなぁ」と感じさせてくれるほんとうの豊かさを教えてくれる一本です。
最近、映画館に入ると爆睡をくりかえしていたわたしが、ひさびさに意識を保ったまま最後まで楽しめた作品でした(笑)。
涙壷度: ☆☆☆☆☆ (ゼロです・・・笑えます、心がほぐれます)