「縞模様のパジャマの少年」

ブルーノ少年のたった一人のともだちは、いつも農場のフェンスの向こう。どんなときも縞模様のパジャマ姿で、とってもお腹をすかせているのです。

これはナチス時代、強制収容所所長の息子と、収容所のユダヤ人少年との金網ごしの友情物語。ブルーノ少年がいつも自室の窓からながめていたパジャマ姿で働く不思議な農場とは、まさに強制収容所だったのです。

こんな現実がホントにあった、そしてはるか昔に感じる一方、まだ数十年しかたっていないことに驚ろかされます。たった今だって、形をかえつつ人種の迫害は続いているのです。

「お友達には親切に」「人を傷つけるようなことはしてはいけません」・・・こんな基本的なことを幼少の頃に教わったはずなのに、小学生にさえ顔向けができないレベルの大人達。それでも、わたしたちはやっとこさ、急速なスピードで学びつつあるのを感じます。

もっとも「こうあって欲しくない」結末で終わるこのドラマ。強く感じるのは、自分がどこに身をおくかで「真実」が簡単に変わってしまう怖さ。ああ、今の自分の目線も、気がつかなくてもたくさんのフィルターにおおわれているのだろうな。

この男の子たちのようにお互いに「知り合って」しまったら友達になれる。友達をクズ扱いはしないでしょう。この世界にはもっともっとコミュニケーションが必要ですね。

少年たちがまた愛くるしくて、なおさら悲劇が胸につきささります。

涙壷度:★★★★☆ (最後、フリーズ状態・・・)