スラリと手足の長いララは15歳。バレリーナを目指して日々レッスンにうちこんでいる。
父親もそんなララに理解をしめし、そのために家族で引っ越しもし、職もかえた。
念願だった名門のバレエスクールに受けいれられたものの、ララのこころは晴ればれしない。
なぜなら、彼女は男の子だから。
トランスジェンダーのララは、一生懸命努力するものの「踊りが、まるで棒っきれ」と評され、また毎日身につけるレオタード姿もララにとってはつらい現実に直面せずにはいられない。
クラスメートからのいやがらせ、恋愛への憧れ、身体の変化 ・・・ 温かい家族や親戚に見守られながらも、ララのこころは理想の自分を目指すことをやめられず、現在の自分を耐えがたく感じてゆきます ・・・。
この作品でアカデミー賞 外国語映画賞を受賞したルーカス・ドン監督は、27歳。
十代のころに読んだトランスジェンダーのバレリーナについての記事にこころを動かされ、いつか映画にしてみたいと胸に温めていたそうです。
ララ役は、アントワープ ロイヤル バレエスクールのトップダンサーさん。もちろん男の子です。
さすが、ダンスはとても美しいです(トウシューズでの踊りは大変だったことでしょう)。
彼自身はトランスジェンダーではありませんが、ことば少ないララの繊細さ、芯の強さ、そして思春期の女の子らしさをとても自然に表現しています。
涙壷度:★★☆☆☆(自分に正直に生きたい! それは誰にとってもこころからの叫びです)