いつか観ようと思ってず〜っとお蔵いりしていたスタンリー・キューブリック監督の作品です。兵士に志願した青年たちとベトナム戦争を描いています。
ロシアのウクライナ侵攻のニュースが連日たえまなく報じられるなか、観るなら今だわ・・・と、ようやく鑑賞にいたりました。
ごくふつ〜の若者が髪をそり落とし、訓練服に袖を通し、海兵隊のキャンプに入ったとたん、まるで人間以下の扱いを受けながら過酷に訓練されてゆきます。
それは、彼らを強靭な殺戮兵器に仕たてあげるために地獄に突き落としているようにも見えます。
ぽっちゃりおっとりのレナードくんはまったく訓練についていけず、教官からはつらくあたられ、訓練生からも集団イジメにあい、ついにぽっちゃりおっとりくんは変貌をとげます。彼は第一号の殺戮兵器になってしまったのです。それも、完全にターゲットを誤った。
やがて訓練生たちは前線であるベトナムに送りこまれます。
そこではじめて目にする親しい仲間たちの凄惨な死。また、自分自身にも現実としてふりかかる死の恐怖。
たとえ相手をしとめられたとしても、ひとりの人間としてその相手の目のなかをのぞきこんだときに自分の罪悪感にふるえることになります。(→予告をみる)
軍隊のもろもろのセリフがスーパーお下品ですが、そこのところはなんとかスルーいたしましょう (^^;;
このような戦いが今だにつづいているなんて・・・こどもたちに「イジメはぜったいだめです。ちゃんと話しあいましょう!」なんて、どの口が言えるのでしょうか?
また、ニュースで「女性やこども、民間人が犠牲になりました」と報道していますが、兵士だったら何人死んでしまおうが問題ないように聞こえてしまいます。
武器も化学兵器はダメ、クラスター爆弾はダメとか ・・・ でも爆弾は爆弾、兵器は兵器で、結局は人をあやめる目的しかないのにそんな区別をしてどういう意味があるのか?!
結局は、ひとりひとりのこころのなかから「闘い」の思いをなくしてゆくことしかないのでしょう。