四月になりました。新しい環境で学びやお仕事を始められる方もいらっしゃると思います。
自己紹介をしたり挨拶をしたり、発表やプレゼンのお仕事がまわってきたりと、人まえで話す機会も多くなります。
誰にとっても人まえで話す、発表することは、緊張をしいられるものです。そんな苦手意識からまったく自分らしさが出せなかったり、能力が発揮できなかったり、はたまた失敗をしてしまったりします。
どうしたら、少しでも緊張をやわらげて自分らしく話すことができるのでしょうか? 三つの解決方法をあげてみましょう。
解決方法 その1、 緊張してあたりまえ。
多くの方は、「緊張しない方法を知りたい」とおっしゃいます。しかし、緊張しないでいよう、とすればするほど、じつは緊張を作りだしてしまいます。
緊張と闘いながら完璧さを目指そうとするよりも、「緊張は自然なことだから、70点の出来でよしとしよう!」とゆるく考えて自分らしくいられるようにしましょう。
背伸びをして完璧さを演出しようと頑張るよりも、ちょっとぐらいミスってもその人らしさが出ている方が、じつは人は好感を抱くものです。自分ではないニセものになろうとするよりも、リラックスして自分でいましょう。
解決方法 その2、 今の自分は、もう大丈夫!
人まえで話すのが苦手とおっしゃる方は、たいてい子どもの頃に失敗経験があったりします。授業中、発表したけれどしどろもどろになってしまって笑われたとか、固まってなにも言えなかった・・・とか。
そして、そのときの動揺がこころのなかに封印されたままになっています。
今はもう、ちゃんとやり遂げる力があるにもかかわらず、似たような場面に遭遇すると、その過去の未解決の感情が今の自分を支配してしまうため、簡単にそのころの自分に戻ってしまうのです。
自分を過去に引き止めている未解決の感情は、手放すことができます。それは、その感情にストーリーをつけずにそのまままっさらな感覚として感じてあげることで消え去るのです。
人まえで話す怖れを感じているのであれば、そこにあがってくる感情をそのまま、あるがままに受け入れて感じてあげましょう。
まったく防御することなく、丸ごと感じてあげることで、感情はしだいに薄れて消え去って、あなたから離れてゆきます。
今の体験に過去の感情を被せないだけでも、前向きに向き合うことが容易になります。今のあなたは、もうあのときの子どもではないのですから。
解決方法 その3、 実際に、人まえで話す場面では、そこにいるみんなとつながってみましょう。
私たちが人まえで緊張するのは、自分 VS 多数 という対立関係が緊張を生み出すからです。自分は多数によって傷つけられるかもしれない、という人に対する危険なイメージをもってしまうのです。
それならば、その多数を受け入れて、つながって、対立のないひとつになってしまいましょう。
人まえに立ったとき、ついつい圧倒されて下を向いたり、一点しか見ることができなくなってしまいがちです。これでは、まだ 1 対 多数 のままです。
人まえに立ったら勇気を出して、まずは全体を見渡してみましょう。一番後ろの席にいる人から、ひとりづつアイコンタクトをしながらゆっくり前へと目線を動かします。未知なものこそが恐ろしく感じるので、このように全体を眺めることによって未知なる感覚はしだいに和らいでゆきます。
そして、こころのなかでこのようにつぶやいてみましょう。「私はみんなを受け入れている」と。じつは、自分こそがみんなを怖がって敵対し、危ないものにしていたのです。
そして、「みんなも私を受け入れてくれている」とつづけます。
さらに、話しはじめるまえに自分が話しやすいと感じる人、あるいはすでに知っている人を一人選んで、その人に向かって話しかける気持ちで始めてみましょう。
最後にいちばん忘れてはならないこと、それは人まえで話すことに限らず、なにをするときにも大切なことです。
それは、「手放す」ことです。「手放す」とは、どういうことなのでしょうか?
それは、どのような行為でも「自分がやる!」という気張りを捨てることです。そのかわりに、自己の高い意識(なんと呼んでもかまいませんが)ハイヤーセルフにまるごと委ねてしまいましょう。
「私がちゃんとやらなければならない」という思いこそが緊張を強めています。じつは、私たちは自分に対してかなり懐疑的だからです。信じられないものに委ねている感覚になるのです。
信じることができないものではなくて、絶対的に信頼できる存在であるハイヤーセルフ(あるいは源、宇宙、天使・・・などの高い存在)に丸ごとおまかせしてしまいましょう。そうすれば、なにがあろうとも自分にとっても、誰にとってもいちばんよいようになるのだ!と確信できます。
ただ自分が手放しさえすれば、他の力(じつは万能の力)がよろこんであとを請け負ってくれます。
ハイヤーセルフには、私たちがイメージしているストーリーよりも、全員にとって間違いなくいちばんよいストーリーを選択し、切り替えてくれます。その切り替えの GOサインこそが明け渡しです。安心しておまかせしてしまいましょう。
人まえに立つまえに、「このことについてすべてを委ねます。どうか私のかわりにしてください」と、すべてを委ねてしまいましょう。
もし、時間があれば、人まえで話す前日にでもこのすべてをイメージングして、ゆったりと自分らしくやり終えて安心している自分の姿を見てみましょう。
これで大丈夫です♪
(「気づきの日記」バックナンバーはこちら: 古川 貴子/ ヒプノセラピー・カウンセリング )