16-02-22 たくましい、火星ひとりぼっち

ヒプノセラピスト古川貴子のブログ

「オデッセイ」観てきました。

「命を落とすのと火星にひとりぼっちと、どっちがいいですか?」 と選択を迫られたら、どっちを選びますか?

すんでのところで命拾いをしたがために、まんまと火星に置きざり、ひとりぼっちになっちゃった男性。助けにくるアテもなく、片道一年以上もかかるところにひとりぽっちだなんて・・・。地つづきだったら、まだ希望はありますが。

ところがこの男性、メンタルめちゃくちゃ強いです。背水の陣でやけくそになったのか、それともNASAの訓練のたまものか、ぜんぜんへこたれていません。お芋畑まで作っちゃったりして、自給自足態勢。いつ助けがくるともわからないのに生きのびるのに前向きです。

それにくらべて、ふだんセラピーをしていると「孤独感」とか「見捨てられ感」がテーマになったりしますが、クライエントさんが感じている深い孤独、見捨てられ感は、火星と地球の距離よりもさらにずっと遠いと感じます。誰もやってこられない宇宙のハズレに、誰にも知られることもなく置き去りにされているような恐怖と悲しみです。

きっと助けがやってくる、そしてみんなが自分を見守り応援してくれているとわかっているからこそ、この火星ひとりぼっち男性は生きのびられるのですよね。でも、地球にいたとしても、自分がそこにはまりこんでいることを誰もわかってくれないし、愛をもって見守ってくれる人がいないのがいちばんつらくって、孤独で、苦しいのかもしれません。

そう考えると、セラピストとしてのわたしは、クライエントさんのレスキューのために確実に飛んでいく宇宙船でなくちゃいけないし、無事な生還を信じて心待ちにする一人でいなくてはいけないのだ、と改めて感じましたよ。

とろこで、あんな赤土だらけの火星に移住計画があるなんて・・・まったくワクワクしません。いくら宇宙をながめ渡しても、地球のようにきらきらと輝く宝石のような美しさをもった星、玉手箱のような多様性のある星は見当たりませんものね。火星云々を目指すよりも、その莫大な予算を空と海と空気をきれいにすることにあてて、さらに地球に磨きをかけてくれたらいいのにね〜。(ほっとくと、そのうち火星みたいになっちゃうぞ!)