私はアントニオ猪木にあやまらなければならない。だって、あんなにぴかぴかにお元気な人を、私は勝手にあの世に送ってしまっていたのだから・・・近所のラ・ボエームで彼と遭遇するまでは。なぜそんなことになったかというと、去年もおととしも私は日本を出たり入ったり忙しく、馬場さんが亡くなりジャンボ鶴田が亡くなり・・・ついにはいったい誰だったかわからなくなった次第です。
おもしろいことに何か勘違いをしていて「それ、完全に違うよ」という時や、今まさに何かに気づかなければならない時って、かならずお知らせがやってくる。それも、しっかり三回。はじめの二回はやわやわと、しかしまったく気がつかないと、三回目はちょっとハード、「これでもわからんか~!」と手加減がない。「郵便配達は三度ベルをならす」という映画があったが、まあここでは「ハイヤーセルフは三度ベルをならす」という感じです。
猪木さんの場合、亡くなったと信じてたある日、駅で彼のポスターに目がとまる。「そうそう、この人死んじゃったのよね~」と自分なりに再確認。ベル#1失敗。そして、TVをつけると猪木の探検番組放送中。「追悼番組か~。人気者だったんだ」ベル#2またまた失敗。今度は、近所のレストランでそれらしき人と遭遇。「うっそ~」と驚きつつ、内心ソックリさんかと疑っている。横を通り過ぎる猪木を、私はまばたきもせず目を皿のようにして凝視・観察。その後、「これでどうだ!」といわんばかりに、彼は私の方を向いて大声で電話をかけはじめる。みごとな花王石鹸顔と逆三角形のもりもり体型は間違いようがない。ようやく生存を確認、納得した。ベル#3ようやく成功。
私にとって重要な人との出会いも、そういえばベルが三回なっていた。その親しい友人とはたぶん普通に出会っていたら友達にさえならなかった、とお互い確信している。まったくタイプが違うし、異質・異次元の人だった。そんな彼女とペルーのツアーで一緒になり一晩同室になった。しかし、部屋に来客が多く、とくに二人の会話はなし。で、ベル#1は失敗。次は、たまたまおそろいのジャケットをめいめい市場で買って着ていた。「わぁ、おそろいだー」いちおう一緒に写真におさまっておしまい。ベル#2またまた失敗。そして、洞窟でシャーマンをよんで儀式をしたとき、私が気絶した。(気絶させられた。が正しい)そのとき彼女がいろいろ世話をしてくれた。夜、部屋に様子をみにきてくれたとき「ありがとう!」と感謝のハグをしたら、太古の記憶(?)が一気に蘇ってしまった。四千年も前からいつも一緒に学んでいたらいことに気がつく。そこからは今までの空白をうめるように日夜しゃべりまくっている。今では、世界中を歩き回るかけがえのない旅仲間であり、家族でもある。ベル#3ちょっと大変だったけど、大成功!
そう思うと、「出会わなければならない人とは、ほっといてもちゃんと出会う」という安心感がある。ただし、二度までに気がつかないと次はちょっと手厳しいかも。
おもえば、「お引っ越し」もハイヤーセルフから何度かお知らせがきていた。しかし、面倒で無視していたら、ついに「アパート取り壊し&即刻退去」という過激なお知らせベルとなってしまった(この人、ここまでしないと、とうてい引っ越さないと思われたのでしょうか)。知人では「転職」のお知らせベルがきていたのに行動に移さなかったら会社がいきなり倒産したり、火災のニュースを見てたら自分の会社が焼けてたなんてこともありました。おおコワ・・・
ホントはベルがなるのを待つよりも、自分から天やハイヤーセルフにお伺いをたてる方がいいのです。そう、天は手を貸したくてウズウズしてるのですもの。そのときは「いついつまでに、私にわかるように教えてください」とお願いしましょう。来世でお答えがきても困るからね。
2001 Jun. 14