『セラピー・オール・ガイド2003』、ヒーリングトークコーナー(p.182)に掲載されました。
クリスチャンの家庭に育ち、幼い頃から人間の内面について興味を持つ。学生時代から、社会心理学・児童心理学・行動心理学・トランスパーソナル心理学・ビジョン心理学を学び、あらゆるセラピーを体験し手法を習得する。'93年にセッションルームをオープンして以来、自然に多くの人々の訪れる場となってきた。そのセッション・セミナーは楽しい雰囲気に溢れている。
本来のあなたの輝きが目を覚ます
私はクリスチャンの家庭に育ち、幼い頃から教会に通っていました。そのおかげで、人生の早い時期から人間の内面について感じたり考えたりする機会が持てたのです。高校では、ボランティア部に所属していましたが、ホスピスや老人ホームを訪問するそこでの活動は、私の中になにか強烈なものを植え付けました。ついこの間まで生きていた人が、もう亡くなっている。あるいは、一生懸命に仕事をしてきて社会的に高い地位を得てきたのに、意外に寂しい老後を送っていらっしゃる方もいる。そんな中で「人間の幸せは、物やお金といった外側のものからやってくるのではない。自分の心の状態だけが自分の幸せを創りだせるものだ」と深く感じたのです。
そんなふうに多感な10代を過ごした私は、自然な流れとして学生時代から、あらゆる種類の心理学やセラピー・カウンセリングを学ぶようになりました。
当時、私はすでにヒプノセラピー・カウンセリング・レイキの分野で、セッションやセミナーを人々に依頼されて行うようになっていましたが、はじめのうちは外資系企業の秘書職と両立していました。社長秘書という経験により、相手の状態を的確に感じ取りサポートする力が養われ、現在クライアントさんの状態を速やかに把握し、その方に最適なメソッドを提供することに役立っているのです。収入の良い仕事とやりたいことのどちらを選ぶかということでも迷いましたが、結局「この先の人生の時間を本当にやりたいことで自分を試してみよう」という大きな決意のもとに勇気をふるって会社を去ったのです。
そして'93年に最初のオフィスを開設しました。名前の「オフィス・るん」は、サンスクリット語で「風」を意味します。「風」は、心地よく人を癒しもし、また山をも動かすパワフルさを合わせもっています。「風」に未来の自分の姿を重ね合わせたと言えます。三年前に、それまでのヒプノセラピーやカウンセリング、レイキ、各種のメソッドを統合した独自の癒し、といったメニューの他に新たにアバターが加わりました。それは私が長年探してきた答えそのものでした。
よく言われている「あなたはあなたの現実の創造主で、外から来るものは何ひとつない」という知識を、実際の体験として実感するシンプルで効果的な方法でした。私達の体験する現実は、望ましいことだけではありません。怖れや不安に囚われるとそれが現実になってしまうということが起こります。すると「ひとつの問題が解決しても、また新たな問題をみつけて玉葱の皮をむくようになってしまう」という悪循環にはまってしまいます。そこから抜け出す答えは、ただ「注意」を向け変えれば良かったのです。注意は創造エネルギーであり、怖れに注意を注ぐと、そこにエネルギーを与え続けてしまうことになります。そして、その怖れは現実となってあなたの目の前に現れるのです。
鍵は、このエネルギーの方向を転換し、望む現実に向け変えることなのです。
私は、セミナーやカウンセリングにいらっしゃるクライアントの方に、できるだけお友達に話すようにリラックスしていただけるよう心掛けています。エネルギーを軽くして視点を転換してあげるだけで、問題が解決してしまうことがよくあるのです。初回のカウンセリングでは、これからどんなコースを受けていただくか決めますが、クライアントさんの中にはここへ来て楽しくおしゃべりしているだけで、シリアスさから抜け出し、問題がもうなくなってしまったとおっしゃる方もいます。人間の創造主としてのクリエイティブなエネルギーを、問題を創る方ではなく人生を楽しむことに向け変え、その人自身の本来の潜在能力や輝きを取り戻すお手伝いが出来たら本当に嬉しいことですね。
癒しとは、何か特別なことではなくて、お部屋をお掃除するように心も「すす払い」をしてあげることなのです。