しばし時間があいてしまい、何を書いているのか忘れちゃいました・・・汗。(^^;
気を取りなおして・・・!
だんなさんの浮気が心配で彼の携帯を見てしまったA子さん。彼女の二つめの NG とは何でしょうか?
それは、起っていることを「あるがまま」に見ていない、ということです。
「ものごとをあるがままに知覚しない」というのは日頃誰もがやっている過ちで、じつは苦しみをつくる最大の原因となってしまいます。
この場合、A子さんに実際に起きている事実というのは・・・「彼が知らない女性とメールをしていた」「ゴハンを一緒に食べた」「チョコをもらった」。しかし、わたしたちには「過去の経験の蓄積」というものがあり、それをもとにして現在起こっているコトに自動的に意味づけをし、今何が起きているのかを判断しようとします。
ここで確実に起きていることとは、先ほども書いたように「女性とメールをしていた」「ゴハンを一緒に食べた」「チョコをもらった」以上です。そして、これらにはポジティブな意味もネガティブな意味もありません。自分以外の人とゴハンを食べることはあるだろうし、結婚をしていてもチョコをもらう男性はたくさんいます。異性のメル友がいる方も多い昨今です。
しかし、このことでA子さんの怖れが暴走してしまう理由は・・・
もともとわたしたちのココロは「ものごとをあるがまま」に知覚せずに自分で意味づけをするのが大好きだと書きましたが、何かを見れば、「おお、それってこういうことね!」、何かを言われれば「そうそう、それってこういう意味に違いない」とすかさず自分なりの解釈をくっつけて一件落着します。しかし、残念ながらそれは普遍的な解釈ではなくって、あくまでも「自分個人」の考えと見聞きした情報からくる意味づけです。(世の雑誌、TV番組では、さきほどあげた兆候があるのであれば、それは浮気です!と断定するかもしれません。しかし、それが普遍的な真実でもないのですよね。)
このよく働く自動意味づけシステムを稼働させているココロは、自分のココロの中に被害者願望があると、ちゃんとそれにのっとった意味づけをしてくれちゃいます。つまり、メールしてる?ゴハン食べた?チョコもらってる?+A子さん被害者意識、怖れ = ひどい、TVでも言っていたように浮気に違いない、もうダメだわ、別れようっていつきりだされるのかしら?わたしといるのにウンザリしてるんでしょ?・・・と。
これは被害者として怖れから意味づけしちゃったために、怖れの悪循環にはまり、その怖れの妄想はどこまでも延々と続くわけです。
わたしたちは、この怖れというものはこの事態が起きているからこそ感じている感情だ、と思っていますが・・・おもしろいことにそれは違うのですね。
じつは、この怖れの感情は「今現在」のものではありません!
ですから、この場合も「メール」etc は、本当の不安の原因ではありません。本当の不安の原因は、もっとココロの深いところからやってきます。それはわたしたちが潜在意識の奥底に永〜いあいだ蓄積し隠しもってきたネガティブな感情、誰の心の中にも潜んでいるココロの闇にある怖れからやってくるのです。もちろんココロの闇ですから、それを自覚していることはありません。
しかし、それをいよいよもって持て余しそうになると、それをガス抜きするために「他の口実」を自分でこしらえて不安を感じたり被害者になって、「ほれっ、これこれ!これが原因でわたしは怖いのよ!あなたのせいよ!どうしてくれるの?」と、行き場のなかった心の底の闇を「かわいそうなわたし」を演じつつようやっと発散させることができるというわけです。
だから、今現在起っていることは、じつはダミーの問題。心の底に潜む、怖れや劣等感のガス抜きの道具なのです。
抱えきれなくなった感情の廃棄物を処理するために、手っ取り早く不安を感じそうな出来事を自らのココロが創作して、廃棄物処理を企てていたわけです。そして、自分を被害者にしたてあげておけば、自分が創ったとは思わずにすみます。
そんなダミーの怖れや怒りにひっかかって、現実のパートナーシップがめちゃくちゃになってしまってはたまりません。だって、怖れを解放するためには、ほんとうは他のどんな出来事でもよかったわけですから。
そしてA子さんがしてしまっているように、彼を無言(しかし態度)で責めて彼に罪悪感を抱かせようとしたり、自分がこてこての被害者「かわいそうなわたし」になって彼に謝らせようとしたり、ついにはこのことによってA子さんらしさも失ってゆきます。そして、おそらく彼も失いかねません。
さあ、大変!どうやって切り抜けたらよいのでしょう?
(やたら長くなっちゃったので、その3へ続きます!)
(「気づきの日記」バックナンバーはこちら: 古川 貴子/心理療法家・ヒプノセラピスト)