"けっこう、いえ、かなり好きかも"

"シュバンクマイエルの映画は、「オテサーネク」以来。プラハ生まれの、このアニメーション作家の頭の中はいったいどうなっていることやら。この作品のグロさ、屈折度ときたらちょっと類をみませんよ〜。その昔、ウィーンからプラハに向かおうとしたとき、食べ物がないだの、街には銃を携えた兵士がいるだの、さんざん脅されましたっけ。それだけで十分暗かったのに。そのうえ、列車でのパスポートチェックではお洒落なオーストリアの入国審査官にかわって、くすんだ竹色のダサ〜イ制服の、それも超こわそ〜なおねえさんに「欧州の入国スタンプがない!」と怒られて危うく電車から降ろされそうになったり。そのうえ、街は重た〜い暗〜い冷た〜いの三重苦。ホテルの窓からは、ティーン教会のあやしいシルエットが影絵のように。ほんとに独特な雰囲気、独特な時間の流れです、プラハは。お隣のウィーンが退廃ならば、こちらはそれをとおりこして人の潜在意識下の怖れや闇の部分をツクツク刺激してくるような。ああ、シュバンクマイエルの映画そのものだわ〜!"