"おめあての街に着いたら、そこに慣れるのに半日は要する。二日目ともなると結構、勝手知ったる他人のなんとかで我がもの顔で闊歩したりするが、そこに至るまでは失敗の連続。言葉がさっぱりわからない国だと、あてづっぽうでバスやトラムに乗るので、とんでもない所で迷子になる。でも、どこへ行こうとも自信が持てることが一つ。それは、おいしいケーキ屋さんをすばやく見つけ出すこと。恐るべし嗅覚にて探しあてる。チューリヒでもあまりの暑さで思考停止状態にもかかわらず、その老舗のケーキ屋さんに吸い込まれるように入っていった。これが大当たり。1日目の生クリームたっぶりの苺のシューにしろ二日目のタルトにしろ大絶賛もの。まさに、その人の人生で何を強烈に引き寄せるかは、その人の執念に正比例するな〜。"
たかちゃん旅日記7 多菓子さんの執念のたまもの
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