アヴェ・マリア・・・涙がとまらない

"「きょうはタキシードを着ていくよ」どこからか、かすかな声がした。ああ、きょうはあなたのお誕生日ですってね。それに彼女があなたのために歌うの。その日、パイプオルガンの横にあらわれた彼女は神々しいまでに美しかった。そのドレス姿はまるで花嫁さん。愛する人のために歌うアヴェ・マリア、きっと彼は舞台で彼女によりそって聴いていることだろう。そう、タキシード姿でね。ああ、これは地上では叶うことのなかった二人の結婚式。"