チケットが当たって、映画「四日間の奇蹟」を鑑賞。観客が涙を拭きつつ会場を後にするなか、私は「ぐふふふ、またかい・・・」と、あやしい笑みがこみあげてきてしまいました。だって、最近の日本映画ときたら、白血病だの、数日間だけ蘇って家族と再会するだの、やがて失明するだの、危機的状況一本やり。それに「ここで泣けっ!」とばかりに、これみよがしのゴリ押し演出もかなりなもの。「緊急事態なしにはドラマチックはありえない」という昨今の考え方は、感動は日常生活には存在しないとでもいっているようです。普通は退屈なんでしょうか?今、ちょうど劇作家・池田理代子さんの、47才音大受験、そしてプリマとして叶わぬ夢を胸に、それでも身も心もかけて精進せざるを得ないという「コテコテに生きてます」エッセイを読んでいたので、なおさらカンにさわったのかもしれません。彼女のように、ふつうの毎日であっても明日からのすべての日々が最後の日々で、一日一日全身全霊ですごす。こんな、人生に向かい合って「ていねいに生きる」ということのほうがよっぱど感動的ですわ。スミマセンけど、今、わたしにこの映画を観せたのは少々まずかったようです(笑)。
言いたかないけど、言っちゃいます
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