ばななについての考察

六月は、胃の内視鏡検査やら抜歯やらで痛めつけられました。その間、バナナばっかり食べていて、ふと考えたことは「こんなに日々バナナばっかりで、姿形がバナナにならないんだろうか?」。例えば、たわわに実をつけたバナナの木があって、それを来る日も来る日も平らげたとしても、ちゃんと私は私なのですよね〜。あたりまえでしょ!と言われそうですが。バナナだけで、髪の毛になり爪になる不思議。友人にそんな話をしたら、「それは突然やってくるんだよ。9,999本めを食べた次の瞬間に。たかちゃんは今、9,960本めだから、あと40本」。う〜む、妙な説得力。たしかに100匹目のサル現象で、変化というのはある日とつぜんやってくるものです。ある朝、いきなり虫になっちゃうカフカの「変身」みたいに、8月のある日、バナナっ! 関根勤風コントにしかならないでしょう?(笑)なぜこんなことを考えたかというと、人は他人の考え方や態度、エネルギーというものには、あんがい簡単に乗っとられちゃうのですよね。それも、まったく気づかないうちに。「気分」などは、まるで伝染病のようにあっというまにうつって広がります。これは自分の考えだ!これはあたりまえ!と思っていることでも、本当にそうなんでしょうか。もう一度、「それって誰がきめたの?」「なんでそうなの?」「なぜ今そういう気分なの?」と問い直してみると、自分のものじゃないものがザクザクみえてきたりします。