私ぐらいの年齢になるとよく耳にするセリフ、それは「もう、そんなトシじゃないんだから云々・・・」「このトシじゃね〜」・・・etc。
私たちは日常どれだけ自分のトシを意識して、それにあわせて生きようとしていることか。欧米のおじいちゃん・おばあちゃんが、老いてもピンクのお洋服を着て生き生き楽しそうにしているのにくらべて、日本のお年寄りはシンドそうです。トシをとったら完全に脇役にまわされ、ひとりまえの社会の要員としてカウントされなくなる日本。定年やら引退を機にどっとふけこんでしまうのは、こんなトシ相応の生き方を強要されるからかもしれません。
私がいちばん問題に感じるのは定年制度。いまや65才、70才は、まだまだ元気、ぴんぴんしています。生物的な年齢で一律に引退させちゃうのはどんなものでしょう。もちろん、65才で隠居、おおいに結構!とおっしゃる方もおられますが、ただそこで社会的な役割がぷっつりなくなって、今までのアイデンティティーまでも剥奪されてしまうことが問題です。いわゆる老人ぽい「老人」を生み出す元凶。20代ですでに老人以上の反応の鈍さと低い思考力の若者だってゴロゴロ存在する一方で、60、70に達してワザも知識も経験も気力も円熟期に入ってエネルギーのかたまりのような年配の方もいらっしゃいます。ホントもったいないです。社会的な損失です。
実年齢に関係なく、その人の気力や経験だけで活躍できる世の中だったら、もっと老人介護問題も少なくなることでしょうね。そろそろ、人間を生物的な年齢でひとくくりにする制度は終わりにしたいものです。「自分のトシは、自分で決める!」。