お茶の間シネマトーク 「厨房で逢いましょう」

またまた、美食ムービーです。

レストランでおもわず犬食いになる、我を忘れて皿をなめる、はては恍惚状態・・・いったいどんなお料理なのでしょう?てっきり、美食の都フランスを舞台にしたストーリーだと思いきや、なんとドイツです。でも、だからこそ美味なる料理に予想外の反応をひきおこすとも考えられます。

幼い頃、母の臨月まぢかの大きなお腹に魅せられて、自分もああなりたいと食べることだけに情熱をもやしつづけた少年グレゴア。がやがてシェフとなり天才的な料理を作り出すことになります。でも、料理に没頭しすぎ、また臨月体型もわざわいして、とんと女性には縁がないのです。

そこに現れた倦怠期に悩む人妻エデン。彼女はグレゴアの料理のおかげで癒されて、だんなさんとの仲も再びあつあつに。しかし、グレゴアの料理の腕が冴えわたって人を恍惚とさせるのは、じつはエデンに恋をしていたから。それに、なぜか突然イキイキしはじめたエデンをみて、だんなさんはじつは心中穏やかではありません。ここから、物語は思わぬ方向へ・・・。

結局、ものごとはどう取り繕おうがジタバタしようが、なるようにしかならない。おさまるところにしかおさまらないのです。

人は恋に落ちるとき、頭ではなくって五感で恋におちるもの。シェフ、グレゴアにはほとんどセリフがなく、目で語っています。とても繊細で深い優しいまなざし。そして、「エロティック・キュイジーヌ」といわれる彼のお料理は、目も舌も鼻も胃袋も心地よく刺激して・・・。エデンが我を忘れてグレゴアのもとに通ってしまうのも、頭でとめられるものではないのですね。。・・・・ん〜、その後は、当然の結末といえるでしょう。納得。

お腹グ〜グ〜度; ★★★★★ (ああ・・・おいしいものが食べたい・・・)