横浜に来てきます。代官山からものの30分。なのに港が近いというだけで、街の雰囲気ってこうも違うものなのですね。いうまでもなく、建物も並木もエキゾチック。舗道をうめつくす枯葉がぴったりです。
このすてきな横浜にシャンソンを聴きにやってきました。「金子由香利リサイタルVol28」。わたしは、今はなき「銀巴里」の頃から大好きで、よく足を運びましたっけ。それも、若干ハタチすぎの頃ですが・・・。
その頃から、どこか少女のような恥じらいと可愛らしさ、そしてヨーロッパマダムのようなゴージャスさとエレガントさのどちらも持ちあわせていらっしゃる金子さんが憧れでした。そして、60代の今でもぜんぜん変わっていらっしゃいませんね。パチパチ!!客席の隅から大きな咳が聞こえてくると、「あら?お風邪かしら?大丈夫?」なんて舞台から声をかけられてしまうところなどお人柄がよくあらわれています。
シャンソンは歌ひとつひとつが、一本のフランス映画のよう。そして歌うというよりは「語り」に近いのですが、金子さんの場合は「語って」もいないし、「セリフ」でもないし、彼女の自然なささやきそのものがシャンソン。もう、存在そのものがシャンソン!な感じです。
定番の「時はすぎてゆく」にはじまり、フィナーレの「おお我が人生」、アンコールの「愛の讃歌」や「ミラボー橋」。きょうは泣かないぞ!と思っていましたが、いやはや、やっぱり最後はやられました。「歌がうまい」とか、「表現力がある」という域を脱して、もう存在そのものが感動なのでした。歌に金子さんの人生そのものとやさしさと愛と・・・すべてが詰まっていて、なりやまぬ拍手、「ブラボー!」の声にまたまたまた感動の夕べでした。
「Vol.30までは頑張るわ・・・。ふ〜〜」とため息をついていらっしゃいましたが、お見受けしたところ「あと10回」は楽勝のご様子。またきます♪