入口を入ると、屋内にもかかわらず飛び石が続いています。その先に上がり口があって、ここでスリッパにはきかえて。どなたかのおうちを訪問するような気分。そして、まるでお茶室に入るかのように身をかがめて小さな引き戸から中へ。
入ってびっくり、白木の大きなカウンターにはすでにお客様がズラリ。月曜のまだ七時前です。じつは、予約をとるのが大変だったとか。
「魚豆根菜(うおずこんさい) やまもと」さんというだけに、出てくるお料理はお野菜中心。それも、あまりごちゃごちゃ手を加えずに、素材の味をそのままに。そのシンプルさがお腹にやさしくて、食欲をそそります。
お気に入りは、お椀。これは枝豆のすり流しに茗荷がたっぷりそえられています。まさに夏のお味。
そして、お鍋もおススメ。かぼちゃ、ズッキーニ、なす、ゴーヤ、ルバーブ、お豆、山椒などが、ゼラチンたっぷりのとろりとしたお魚のおだしで煮込んであります。すっぱくて、甘くて、コクがあって、苦くて、ぴりりと辛い・・・という不思議な味わい。
お店の板さんが全員ねじりはちまき姿なのも心意気を感じます。さわやかで潔い感じ。
最近、どこのお店でも「これは○○産のなになに」「こっちは△△産のしかじか」と味はさておきうんちくがつきないのですが、こちらは言葉少なにススッと供されてあとは味わうのみ。お料理においても、お店のたたずまいにおいても、接客においても、シンプルさが光る粋なお店。
ここちよい満腹感。ごちそうさまでした。m(_ _)m