お茶の間シネマトーク オレサマ流映画鑑賞

予告がはじまった頃、隣の空席にバッグを置くと、ものすごい勢いでオジサンがやってきてそのままドスッと坐った。無惨にもプレスされたわたしのカゴバック・・・(泣)。「ここいいですか?」とか、ひとこと欲しかったんですけど〜。

このオレサマオジサン、最初から印象がよくなかったので上映中もなにかと気になった。突然あくびをしたり、ぼりぼり頭を掻きむしったり、貧乏ゆすりをしたり、うなり声ともいえない声を発したり。退屈してるんだろうか・・・。

そのうち、グググ・・・ゴゴッ・・・。あらら、寝てしまったらしい。

けれど、さすがなのは「woman's breast(女性の胸)」というセリフが聞こえるやいなや、ピピっと反応して目を覚ました。オジサン、英語のリスニングが得意なのか?ラブシーンともなれば、「まったく寝てなんかいませんでした」という感じで、完璧に覚醒しておりました(笑)。なんか、こういうシーンを察知するセンサーでもついとるんやろか?

しかし、そのあとは再び深い眠りにおちてしまったようです。この映画は戦闘シーンがほとんどなので、オジサンのガ〜もグ〜もわたしはほとんど気にならなくなりましたが。

物語がいよいよクライマックスを迎えてこの長い物語のナゾが解けたとき、ぐらり!というかグワッ!と大きく揺れた。うわ〜っ!地震!?ついにきたか!

と思ったら、例のオジサンが身体を前後に揺らして号泣していたのです。あれ〜?グ〜とかガ〜とか、深い眠りじゃなかったの?(すごい変わり身の早さ!汗)

冒頭とラブシーンとクライマックスを堪能して深く感動したオジサンは、エンドロールが流れるやいなやさっさと姿を消しました。うむむ・・・なんというコンパクトな映画鑑賞の仕方。あっぱれ!

ちなみに、この映画はスパイク・リーの「セントアンナの奇跡」。実話をもとにした作品で、NYで郵便局員が起こしたナゾの殺人事件と押収された古美術品、そのナゾをひも解くと第二次世界大戦下のイタリアまでさかのぼるのです。160分ほどの長〜い作品なのですが、激しい戦闘シーンが多く、ほとんどドンパチしています。さすがに、年配の男性が多いです。

わたしはドンパチにはちと疲れましたが、クライマックスのシーンにいよいよ感動しようとしたらオジサンに気を取られ、なんか中途半端・・・。う〜ん、この作品について聞かれたら、たぶんオジサンの奇行しかおぼえてないな〜・・・。

涙壷度:★☆☆☆☆(ホントは、もっと高得点のはずですが、オジサン観察日記に忙しかった)