お茶の間シネマトーク 「宇宙へ。」

何年か前、フロリダ滞在中にNASAを見学しに行ったことがあります。ほんもののスペースシャトルがある広大な敷地の一角がビジターセンター。たしか、入り口のチェックもかなり厳しかったのを思い出します。そして、「猛犬注意!」ならぬ、「アリゲーター注意!」のたくさんの立て札。たしかに、このあたりの沼地には棲息しているのでしょうが、挙動不審にウロウロしていると巨大獰猛アリゲーターに食べられちゃいますよ、ということらしいです(汗)。

さて、そんなNASAの宇宙開発のすべてを収めたフィルムが、このたび英国のBBCワールドワイドによってドキュメンタリー映画になりました。ドキュメンタリー作成には定評のあるBBC。さっそく観てきました。

あれ?トム・ハンクスもエド・ハリスも出てこない・・・?!ハイ、これは正真正銘ホンモノ映像なのです。

映像のドラマティックさ、美しさ、まるで脚本を書いて作成したようなさまざまなカット。たんにドキュメンタリーフィルムにとどまらないおもしろさがあります。宇宙船に乗りこんだ飛行士の最後の表情、ロケット打ち上げを見守る人々の様子(この当時の髪型、ファッションもおもしろいい!)、トラブル発生時の管制室の張りつめた空気(あわてるというよりも、まさに目がテン!という感じでした)、ミッション成功の様子(宇宙飛行士は子供のようにはしゃいでいます)・・・真実だからこそ胸に伝わってくるものがあります。

しかし、五回に一回は失敗をかさねつつ、有人飛行を成功させて、わずか十年足らずで月に降りてしまったすごさ!人間の能力と可能性は偉大です。今じゃ、宇宙に実験室がありますものね。

以前にも何度か目にした、月の向こう側から地球が昇ってくる映像。寂寞とした月の表面と漆黒の宇宙の中に現れる発光体のような地球の姿。なんて美しい星なのでしょう!あらためて、感激。この星の住人である幸せと誇りを感じます。

さまざまな地球の映像や銀河の映像。巨大なスクリーンで観るていると、自分も宇宙に行ってきた気分になります。そして、いつも近視眼でものごとを見ることに慣れてしまっているわたしたち。とくに、行き詰まっているときは超近視眼。

宇宙から眺めるという、自分の姿が針の穴にもならないほど引いた目線でものごとを眺めてみると・・・ああ、すべてがど〜でもよくなってくるこの脱力感(笑)。わたしたちのものの見方が変わると、自分の感じ方も変わり、また自分の体験も変わってくる、そして人生が変わる。

ああ、楽しかった♪