終了間近の「トリノ・エジプト展」へ滑り込み!
ほ〜んと、いつも思うのですが、都営の美術館は終わるのが早い!5時まで門が開いているにもかかわらず、5時ぴったりに閉館する無情さ。フツー5時まで開いてたら、閉館は6時ぐらいなんですが・・・(5時5分前に入った人はどうすればいいの?)。
なんとか、4:15に滑り込み、きっかり45分、駆け足で楽しんできました。
ホントにヨーロッパの人たちは、移動不可能なピラミッドや墓穴以外はみ〜んなエジプトから持ってきちゃったのですね。ツタンカーメンの立像や、お墓の入口のレリーフ、彫像の頭(そういえば神殿の彫像には頭がないものが多々ありました)などなど、巨大な石の塊ばかりをよくもまあ・・・。
マトリョーシカのように何重にもなっている棺の彩色もすごいけど、わたしは焼物とアクセサリーに興味しんしん。焼物は、天然鉱物の顔料を使用しているので、発色がとってもきれい。今でさえ、こんなきれいなウルトラマリンの器は見かけません。アクセサリーも純金と天然石をバランスよく配置し、パーツのモチーフもしゃれています。今もじゅうぶん使えそう。
こんな展覧会をながめながら、当時の人たちの生活をあれこれ想像してみます。今や、ほとんど柱だけになった神殿の完璧な姿は、彩色もほどこされて、きっと華やかだったことでしょう。そこに、あの例のおかっぱ頭のカツラをかぶり、くっきりとアイラインをひいた人たち。こんな金のアクセサリーを身につけて、なかなか手に入らない美しい器を慈しんでいたことでしょう。ん〜・・・タイムスリップしてみたい(と、いうか、過去そこにいたので、その必要もないのですが)。
ずっと今よりも生活を楽しんでいただろうし、現在は直視されない「死」でさえも、当時は次ぎにつなげる大切な儀式。真摯に向き合い深い考えをもっていたのですよね。
せき立てられるように会場から出ると、すでに上野の森はしんと静まり、すっかり秋深しでした。
PS まだみなさんお家に帰れないようで、この展覧会、東京のあとはあちこち日本を巡業するようです。お疲れさま。