気づきの日記 「自分のホンネ、わからな〜い (^^;」その2

ここからM子さんの潜在意識の探求がはじまりました。彼女のココロをどんどん掘り下げてゆきます。

「何がなんでも成功したい」=「なぜなら・・・人生は競争だから」「なぜなら・・・お金があれば何でもできるから」「なぜなら・・・ステイタスがつくから」・・・etc。どんどん聞き出してゆくと、あるとき「お父さんとお母さんが・・・」とつぶやくなり大粒の涙を流すM子さん(これは、核心近し!)。

「がむしゃらに頑張って成功しなければならない」をどんどん掘ってみた結果、出てきたのは幼い頃に決めたひとつの小さな決心。愛する両親が何やら大変そうにしているのを目にしたM子ちゃん。彼女は幼いながら胸を痛め、心に決めた一つの決心があったのです。それは、お金で苦しむ両親(当時、二人には借金があった様子)を助けるということ。「お父さんとお母さんの借金をどうにかしてあげたい。けれど、わたしは非力で助けられない」 「今は何もできないけれど、大きくなったら必ず愛する両親を救おう。わたしが借金のために一生懸命働くんだ」という強固な信念を作ったのです。

もちろん、これは大人のM子さんの表面意識には残っておらず、潜在意識の中にひっそりと忘れさられていた信念。時は流れて両親は苦境を乗り越え、彼女も大人になり、そんな記憶はどこへやら・・・。しかし、潜在意識の中にインプットされた決心は決してチャラにはならないのです。デリートボタンを押さない限り。だから、彼女は両親への愛を感じるたび、無意識に「わたしが両親を助ける=わたしが借金のため働く=苦しくてもより多く稼ぐ=がむしゃらに=いやなことでも何でもする」をやり続けていたわけです。今となっては、その真の目的は忘れさられ、「がむしゃらに成功する」の理由は「わたしの幸せ」にすり替えられてしまいました。

しかし、カウンセリング中に明らかになったように、M子さんの幸せな状態は「がんがんやって成功」よりも、「人生を楽しむ」ことだったのです。あくなき成功のための脅迫的な自己啓発グセが、まさかこんな「幼い女の子のけなげな動機」に根ざしていたと気づいてご本人もびっくり。

おもしろいもので、この役にたたない信念を処理してしまうと、むしょうに楽しい人生がやりたくなってきます。今までのキャリア、試験、ステップアップ?! あら〜、わたしには関係ないわ! ってな具合に。別人化して自分らしい人生を、まさに彼女がしたかったように「楽しめる」ようになるのですね。あるいは、依然「成功」を目指したとしても、そこに悲壮感はまったくなくなり、あらたな動機が見つかるでしょう。おもしろいものです。

これは彼女に限ったことではなく、誰でもこのような幼い頃の痛みから誓った古〜い信念をかかえて、それがどんなものであったのかも忘れて、無意識につき動かされていたりするものです。

「幸せになるためにはこうするべきだ!でも、ぜんぜん楽しくない」というようなときは要注意!自分のとっている行動と感じている感情の辻褄があわないときは、潜在意識の中の忘れ物をお掃除するチャンス。すると、不可解なナゾがとけて、自分でも「ああ!びっくり!」になるかもしれません。

わたしたちの自然な状態は、ただ「幸せ」であること。でも、あまりにもずれることに慣れきってしまっているこの世の中。自然に「幸せ」である感覚を多くの人が忘れがちです。ほんとうは、わくわく楽しいと感じる方向にだけ触覚をのばして進んでゆくということを覚えておけば、自分らしい流れに導かれることでしょう。

PS 今回はカウンセリングのセッションで探求しましたが、同様にヒプノセラピーのセッションでも幼少期の感情や場面を思い出すことにより「役立たずの信念」を見つけることができます。
Good Luck, M子さん!楽しんでね〜! (^-^)ノ