友人のAちゃんは九月生まれです。でも、なぜか一緒にお祝いするのはきまって二月。
さて、去年は洋ものだったので、今年は和食屋さん。カウンターに陣取り、飲めない二人は甘〜い梅酒で乾杯。お料理もタケノコやウドなど、もうすっかり春です。
二人でああだこうだと話しに盛り上がっていると、カウンターの向こうから板さんが知らぬまに会話に参加。それはまるで三人連れのよう。たとえばお造りをいただきながら、「ねえ、好きなもの最初に食べる?後までとっとく?」とAちゃんに尋ねると、「わたしの場合は、二つあったらひとつは最初のほうで、もうひとつはやっぱり最後ですよね」と板さん。その後も、二人で話している会話にもれなく参加。
ふつう、こんな大人な和食屋さんの板さんって寡黙で、お客さんの話題が耳にはいってもバーテンさんのように聞いて聞かぬふりなんじゃあ?
そのうち姿が見えなくなったと思ったら、Aちゃんが「ねえ、あの人、どなってるよ。のれんの向こうで、さっきからず〜っと」と。そう、Aちゃんは声楽家なので耳に入る音には敏感。とくに心地よくない音には地獄耳級絶対音感(?)をお持ち。ホントだ、のれんの後ろで若人の板さんをしかりとばして、いえ、なじりとばしています。それも、ねちねち延々と。しかもドスのきいたお言葉遣い!もしかして、ヤッチャン?
こちらが緊張をしいられるものですよ、こういう場面は。もうすべてお料理が出たあとだからいいものの、たとえウチワのことでもお客さんに聞こえちゃまずいでしょ〜。怒りのたれ流しは公害に近いものがあります。
そんなこんなで、ガールズトークには集中できないし、ハラハラドキドキさせられるし・・・。ついに、お茶も飲めないほどの満腹をかかえてカフェへ移動。ようやく堰をきったようないつものわたしたちの爆談(Aちゃんの造語です)を心おきなく楽しむことができました。
わたしは彼女にだけは、毒舌満載で日頃の文句をブリブリ言うことができるのです。彼女は顔を真っ赤にしてのけぞりながらミット役をしてくれましたわ(ゴメンね、お誕生会だったね)。
というわけで、おいしかったけど妙な和食お誕生会ナイトなのでした。
PS あやうし、板さんがキレる直前のあんこう鍋。→
とっても美味でした〜♪が、あのお店にふたたび行くかはビミョ〜。板さんにセラピーを受けてもらってからにしよ〜か。