これで最後

 

今年最後を飾ったのはOさんとのお花見。

Oさんは、永年おつきあいいただいているステキなお姉さまです。「来年も一緒にお花見しましょうね!」という約束どおり、開花からすでに二週間たちつつもまだしっかり咲き誇っているサクラを二人で満喫いたしました。

ときおり花びらが静かに舞い散る夕暮れのサクラ。数日前に突然お兄さまを亡くされたというOさんには、去年ご一緒したサクラとはまた違った感慨がおありのよう。「あと何回サクラを見られるかしら?」というつぶやきは、ことさらわたしの胸にしみいったのでした。

サクラとの関係もそうですが、もちろん人との関係でも、決して同じ時間は二度とやってこないのですよね。夕暮れの川面に薄紅の花びらが舞う様子を二人で心に刻んだ、愛おしいひとときでした。

まるで枯れ木のような枝から一転、ドラマチックに一面の花ざかりになり、そして何事もなかったかのように潔く散ってゆくサクラ。そのときどきの人の心を映し出してくれる不思議な花ですね。