そういえば・・・若い頃のアラン・ドロンの映画って一本も観たことないな〜。アラン・ドロン世代ではないけれど、友人のなかには大ファンの子もいましたっけ。今さらですが、「いったい何がよかったの?」とばかりに、リバイバル中の「太陽がいっぱい」を観に行ってきました。
大富豪からイタリアで豪遊するドラ息子を連れ戻す、というお役目をおおせつかるトム(アラン・ドロン)。その放蕩息子と行動をともにするうちに、彼と自分とを同一化しはじめます。だんだん、だんだん、富豪っぽい横柄で大胆不敵なキャラを身につけてゆきます(別に大富豪さんがみんな、そのようなキャラではありませぬが・・・)。そうするうちに、ドラ息子を首尾よく片づけ、自分が彼になりかわってしまえばいいじゃないか...と、かなり短絡的なひらめきがやってきます。そして財産だけでなく、彼の恋人までもを自分のものにしようとたくらむわけです。
何年か前に「リプリー」というハリウッド版リメイク作品がありましたっけ。富豪がジュード・ロウ(ちょい気品があり、自信たっぷりで鼻持ちならない感じがはまり役)。そしてお目付け役トムはマット・ディモン。彼の場合は、アラン・ドロンのような獲物をねらうヒョウのギラギラ感はなかったな〜。ノラクラしているうちになりかわったような。でも、観ていてドキドキした(ときめいた!という意味ではなく、スリリングの意味)のは「リプリー」の方。
最後のオチはちょっと違っているような・・・(「リプリー」のオチは忘れた・・・)。いずれにしても、ウソがばれてトムはただのトムに逆戻り。
「リプリー」にしろ「太陽がいっぱい」にしろ、ここまでひやひやの労力払ってちまちま小細工して他人になりかわり・・・いったい楽しいの?と思ってしまうのでした。う〜ん、甲斐性なしには完全にムリ。
涙壷度;ゼロ(泣く場面などありませぬ)
観ていてアラン・ドロンと富豪の息子の区別がつかなくなり(て、ことは同一化には成功しているのでしょうが)・・・アラン・ドロンのオーラはいまいち理解できなかったわたしなのでした。