お茶の間シネマトーク「今やストーカー・・・“卒業”」

劇場で観た旧作シネマ、それは「卒業」。(六本木ヒルズで朝10:00から、古い名作といわれるものを次々上映しています。)

チャペルから花嫁を略奪するシーンはとても有名。みなさんもどこかで目にしたことがあるかもしれません。

簡単に言うと、セレブなおうちのエリートくんが大学を卒業し、さてこの先どっちを向いて生きるのか・・・敷かれた線路の上を突っ走ってきた彼にはあまり「意志」というものがない様子。そして自信もない。そこで、母親ほどのトシの女性にそそのかされ、なんせやることがないのでそちらに突き進んでしまいます。しかし、その女性の娘に会ってみたら、はじめて「意志」が目覚めちゃった。「このコのほうがいい!結婚したい!」と。突如娘にひるがえったエリートくんを見て、この年上の女性、もちろん黙っちゃいません。プライドがあります。事実を娘にバラし、恋路を邪魔するのです。結果、そのコは他の男性と結婚することになるのですが、彼はあきらめちゃいない。必死で結婚式さなかの教会に乗り込み略奪する・・・というお話し。

この青年役、若かりし日のダスティン・ホフマンが演じているのですが、ほとんど自分のないこ青年役に彼の「超なで肩」な体型がベストマッチ。演技というより、この体型だけでかなり醸し出すものアリ、です。

そして、いやがる彼女を彼女の通う大学にまではりこんでつきまとう始末。これって今でいうと熱愛なんてもんじゃなくって、たんなる激しく変質的なストーカー行為。あの「なで肩」体型にジャンパー姿でピッタリ彼女のあとについて足早につけ回す姿・・・ん?どっかで観たな〜このシーン、あ〜!これすでにレインマンだわ(自閉症役のダスティン・ホフマンが、ジャンパー姿で弟役トム・クルーズのあとにぴったりくっついて、小股にチョコチョコつけ歩くシーン。「卒業」から、すでに「レインマン」だった・・・汗)。

いくら好きだからって、この執拗でストーカー度100% の一方的な恋愛表現、観ててだんだん頭痛がしてきましたよ〜。こんなことされたら、誰だってぜったい引くでしょ〜。これ、1967年の映画。セレブなエリートくんが乗り回す当時はカッコよかったであろう赤いアルファ・ロメオも、いまや遊園地の遊具にしか見えません。モノにしろ、恋愛観にしろ、今と変わっているような変わっていないような微妙な年代なので、逆にギャップを大きく感じるのかもしれません。もっと極端に古いい作品のほうが頭が混乱しないかも。それに、年代的にはまだ共感できない、というのもあります。

なんか妙に疲れたぞ・・・・。ハッピーエンドなのに、なんかだかな〜・・・という感じです。職業上、彼のあの性格、もうちょっと自分と向き合ったほうがいいんじゃない?などと、将来を案じてしまいましたよ。

しかし、ダスティン・ホフマン、「ひどいなで肩」をのぞけば、昔はとっても美形だったのね。オトコのオバサンのイメージしかなかったから見直しました。・・・(「トッツィー」です)。