あんがい地元にあるものって、足を運ぶ機会がなかったりします。
その昔、世田谷桜新町の「サザエさん美術館」の真ん前に住んでいたときも、ついぞ訪れることがなかったし。この美術館には「磯野家」の間取りがあったりと磯野家の秘密が隠されていておもしろいらしい。今さら行きたくなってるワタシです。
さて、今回はもう十年以上もお世話になっている「目黒」にある文化財「百段階段」。目黒雅叙園の木造の旧館の中にあります。今上映されている「源氏物語」の衣装が展示された特別展。
新館の雅叙園は行ったことがあり、カフェもトイレもまるで竜宮城。わたしのヒプノセラピーの師匠のローザ氏が好んで宿泊していましたが、外国人にとってはまさに異次元かも。
さて、まずはその階段に通じる三階へとエレベーターに乗るのですが、これが豪華絢爛、黒と金と玉虫色の蒔絵風エレベーター。しかし、このちょっとフェイクなエレベーターに圧倒されて、実際の百段階段を見た時「あれれ?」という感じでした。
単なる超地味な古びた木造の階段・・・。これがなにか?っていう感じ。
そう、文化財というからには、わたしはあの絢爛豪華なエレベーターのごとき階段を予想していたのでした。実際は古びた温泉旅館の渡り廊下を連想させます。
しかし、勘違いしてはいけません。問題はこの階段で結ばれた七つの部屋。ここに昔からの組子や彫刻、絵画などで装飾された空間があるのでした。残念ながら、今回は展示されている映画「源氏物語」の衣装がライトアップされていて、あまりお部屋の美しさは目に入りませんでしたが。
しかし、つくづく思いましたよ〜、この衣装たちを観て。十二枚衣を纏ってどんなに着ぶくれしたとしても、なんせ紙と木の建物、さぞ寒かっただろうな〜。それに、肩も凝ったに違いありません。そして腰までのばしたストレートヘア。当時、ぜったいわたしみたいな強烈天パーの女性はいたはず。いくらオイルをつけてのばしていたといっても、大変だったかも。面倒くさいからと、うねる天パーのままあの衣装を着たら、きっと物の怪扱いだったかもしれないし。(ああ、現代に生まれてよかった・・・しみじみ・・・。)
あの時代に超美男といわれた光源氏。女性はおたふくちゃんが当時の美人のスタンダードだったというじゃないですか。だったら、光源氏はどう間違ってもジャニーズ系ではないはず(生田斗真はありえない)。やっぱり今でいう麻呂系のお顔なのでしょうか?のぞきに行ってみた〜い、そんなあれこれに想いをはせた「百段階段」鑑賞なのでありました。
(写真はお玄関にあった「光源氏」の場面を描いたお人形たち)