上野の文化会館でピアノを聴いてきました。
一曲目がベートーヴェンの三大ソナタのひとつ「悲愴」。きょうはこれが聴きたくって来たのですが、最初の数小節からすごい迫力で、ぐぐ〜んとハートに染みわたってくる感じ。今まで聴いたことがない音でした。
プログラムだけで選んだので、じつはこの女性ピアニストさん(サ・チェン)については何も知らなかったのです。現在ドイツ在住、世界中でたくさんの賞をとって活躍されていて、べートーヴェンコンクールでは優勝されていることを知りました。
お気に入りの曲って家にあるCD(ちなみに、うちのピアノソナタはアシュケナージとホロヴィッツ)の音で慣れているので、そういえば女性ピアニストの演奏って フジコ・Fさんぐらいしか聴いたことがなかったかも。一人一人の個性はもちろんですが、やっぱり男性と女性というだけでも音色や表現に違いがあるものなのでしょうか。
このピアニストさんは大地にど〜んと根をはったような力強さと同時に、水が縷々と流れるような繊細で透明感のある音など、さまざまな魅力のある方でした。なので、ショパンのエチュードはまるで男性が弾いているようでもあり、ラヴェルやドヴュッシーは聴いていると水面をたゆたうような浮遊間。
自分にとっての「大アタリ」って、高い料金を払ったり、人がいいというものを聴いたからといってやってくるものでもなく、こんなふうにフラリと出かけてみた結果、大アタリでした!聴きごたえ十分。よい夕べとなりました。(^-^*)/