「現実(reality)」と「想像力(imagination)」とが勝負したら、どっちが勝つと思いますか?
どっちが、より自分への影響力が大きいでのしょう?
ほとんどの方は「そりゃ、現実でしょう。なんせ、現実はリアル、自分の目の前にありますからね!現実以外はこわくないですよ」とおっしゃいます。
・・・ところが「現実」と「想像力」とが力くらべすると、「想像力」の方に簡単に軍配が上がっちゃうのです。つまり、わたしたちは「現実」世界よりも「想像力」に支配されている・・・ということです。
ちょっと信じられませんか?
わたしたちが悩んだり、苦しんでいるとき...それは自分の「想像力」におびやかされているからです。「現実」に対してではなくって、これから起るであろう未来への「想像」であり、すでに過ぎ去ってしまった過去への「想像」なのです。
そして、「想像力」は簡単に人を病気にし、また命さえも落とさせてしまいます。
おそるべし「想像力」・・・。
「でも、実際、目の前の現実的なことに悩んでいる人もいるでしょ?」・・・じつはそれは、現実に対する自分の考え、未来はこうなるのでは?という「想像」
に悩まされているのです。現実は現実、そこに怖れのストーリーをくっつけなければ、それは何の意味もなく、有害ではないのですね。
「想像」にハマりすぎて、グルグル、グルグル、未来や過去を考えすぎた結果、にっちもさっちもいかなくなります。もはや、恐ろしいストーリーの餌食です。完全に食べられています。
世の中の悩みのすべては、「想像力」から生まれている、といってもいいぐらいです。
でもセラピーでこの性癖を治そうとすると、つまり「想像力」に入りこんでストーリーに浸る癖を改善しようとすると・・・不思議なことが起ることがあります。
クライエントさんが急に「や〜めた!」と言いはじめるのです。・・・・せっかく、お悩みからほとんど脱しかけているのに、どうしたことでしょう?
一度じっくりとその事情を追求してみたことがあります。するとなんと、「悩みがなくなったら、やることが何もなくなってしまうようで・・・とても空虚な感じがして、コワいのです。とりあえず、まだ悩んでいます」と。
「!!」なんと!悩むことはヒマつぶし??
自分と向き合うのがコワいから、とりあえず悩みでもこしらえてそっちにかかわっっていようかな〜というケースが多いことに気がつきました。
そんなにコワい自分って・・・・(汗)。
でも、この「自分と向き合いたくない」パターンは恋愛にも多々みられます。自分と向き合いたくないから、相手に依存しすぎる、境界線を越えてまで相手の現実に踏み込んでおせっかいを焼います。
悩みをつくってそれにかかわらなくちゃいけないほど、自分と向き合うのはコワい?自分がなくなるほどの恋愛をしなくちゃならないほど、自分といたくない?
・・・・現代の悩みの多くは、自分からお出かけしちゃう「自分エスケープ」・・・汗。