もうひとりのピカソ

真っ黒な背景、ゆがんだ顔、画面に多く登場する枠・・・もし、こどもがこんな絵を描いていたら、すぐさま精神科に連れていくかもしれません。それぐらい心に問題がありそうに見えちゃう作品の数々・・・。英国の画家、フランシス・ベーコン展です。

絵のイメージとは違って、フィルムに登場するベーコンさんはいたって健康そうで、ちょっと哲学的な方でした。それもそのはず、同姓同名の哲学者、フランシス・ベーコンと血縁があるそうな。

ベーコンさんいわく、下絵だけ描いて「チャンス」「偶然の出来事」の到来をじっと待つそうです。すると、「自分が何をしているのかわからなくなる瞬間がやってくる」そうな・・・(これは著名なアーティストやアスリートがよくいう、「まったく自分がなくなる」フロー体験のことですね)。

なるほど、なるほど、たしかに、彼の絵は頭で考えて描いているような絵ではありません。何かが舞いおりた瞬間をキャッチしてカンバスに写しとっているのでしょう。

会場出口のグッズ売り場で、彼の作品をプリントしたスマホケースが売られていました。う〜ん・・・かなりシュールな絵柄ばっかりです。

ひとつ、売り切れになっている絵柄が・・・。なにかと思ったら、ナント、ベーコンさんの荒れ果てたアトリエの写真がプリントされたもの。今でいう「片付けられない人」の部屋、そのものの散らかり具合。なんでこれが人気なの?

だからって、わたしの部屋のちらかり具合を披露しても、だれもスマホケースをほしがらないでしょうね〜(汗)。