気づきの日記「誰も教えてくれなかったホントのこと」

もしスマホやパソコンを買って、取り扱いマニュアルがついてこなかったら??・・・かなり困ります。

でもわたしたちが生まれたとき、取り扱いマニュアルはついてきませんでした。なので、本当のところわたしたちは誰ひとり、自分の取り扱いがよくわかっていません。

だから自分に関して「ホントだ」と思っていることの中にはあんがい間違いがいっぱいあって、それが知らないうちに自分を苦しめていたりするのです。

たとえば小さい頃によく言われたこんなこと・・・

●「何も考えてないでしょ?もっと頭を使いなさい!」・・・誰もがこんな注意をされたことがありますよね。「もっと考えなさい」って。

でも正しくは、「考えるのをやめましょう。頭をからっぽにしましょう」が「自分取り扱いマニュアル」に書いてあることです。

「この人はどんな人だろう」と考えるとき、わたしたちは自分の経験からしか考えられないので、ほとんど自分に都合のいいでっちあげの人物像をつくりあげます。そのように、一生懸命考えても、しょせん自分の思考の中をいったり来たりして、真実とはかなりかけ離れてしまう始末。そして、そんなふうに「本当でないこと」をたえまなく考え続けることによって、結局、問題と苦しみが生まれてきます。

もちろん、作業をしたり、何かを選択するときには頭を使う価値があるのですが、その一瞬でじゅうぶん。問題なのは年がら年じゅう、一日中、ああだこうだと考え続けてしまうこと。価値判断したり、後悔したり、裁いたり、罪悪感を感じたり・・・それはとめどもない連鎖を生みます。

思考というのはエネルギーであって、自分の中にふと沸きあがってきては去っていくもの。でも、この中に飛び込んで一体化しちゃうと、思考が自分になりかわっちゃう。自分というものが思考に占拠され、ハイジャックされちゃうわけです(でもハイジャックされても気づいていない・・・汗)。

とくに、わたしたちは自分を傷つける考えに反応しがちで、自ら吸いよせられるようにその中に飛び込んで一体化しちゃうという悪いクセがあります。そして、そこから出てこようともしません。まさに考えていることが自分そのもののようになっちゃいます。

思考は言います、「離してくれさえすれば、あっちに行くのに・・・」と。そうです。「思考」はたんなるエネルギーです。さっさと、そっから出てきましょう。そのためには、「頭はなるだけカラッポ、考えない」のがよいのですね。

●「頼らないでちゃんと自分ひとりでやりなさい」・・・これもよく聞いたセリフですよね。「人にばっかり頼っちゃダメよ!」って。

これも正しくは、「自分でやらないで、おうかがいをたてるか、ゆだねましょう」です。

もちろん日常のこまごまは自分でちゃんとやらないといけませんが、わたしたちが何かを決めるとき、選択するとき・・・自分の小さな限られたアタマですべてを決断しようとしても、じつはデータが足りなすぎます。それに、データははっきりいって間違っていることが多い・・・。となると、偏った決断しかできません。

でも、じつは自分をずっと支えて、導いてくれている、もっと大きな存在がちゃんといるのです。生まれたときからずっと。それは、この世にやってくるための護衛役であり知恵袋。もれなく一人ひとりについています。その存在に気づくことによって、その存在にお伺いをたてて、導きをもらうのが、この人生での賢いショートカットのやり方です。

護衛役さんは謙虚なので、こちらからお伺いをたてたり、お願いしないと、決してでしゃばることはありません。だから、たくさん訊ねる、おうかがいをたてる、甘えちゃうことが必要なのです。

これをセラピーのときにクライエントさんにお話すると、「え〜、いつも頭使えって言われてきたし、全部自分でやらなくちゃいけないと教えられてきました〜」という驚きの声が聞かれます。・・・・そうですよね。そもそも取り扱いマニュアルがなかったから・・・。でも、もしマニュアルがあったとしたら、そこには「あなたはすでにスーパーコンピユーターに接続されています。だから、自分でジタバタいじくりまわさずに、安心してゆだねて下さい。ごちゃごちゃ頭でおしゃべりをしたり、あまりにも自分でやろうとすると、接続がフリーズします」って書いてあったかもしれません。

考えすぎるとスーパーコンピューターからのアウトプットの情報がやってこなくなるし、なんでもかんでも自分ひとりでやろうとすろとスパコンのメッセージも理解できないかもしれません。

しょせん「端末器具(?)」であるわたしたちは、自分をからっぽにして、素直にあけわたして、宇宙からの電気が流れて、本来の機能が働くようにしてあげれなければなりません。(たしかにそうです。うちのトースターやホットプレートがいきなり自己主張しはじめたら困りますもの・・・汗。)

なんでも自分でやらなくちゃ!と構えてたわたしたちにとっては、ちょっとした意識の転換が必要ですが、きっと慣れてきたら「考えない、自分でやらないなんて、ラクチ〜ン♪」と思うに違いありません。

 

 

「気づきの日記」バックナンバーはこちら: 古川 貴子/心理療法家・ヒプノセラピスト