お茶の間シネマトーク「わたしに会うまでの1600キロ」

ヒプノセラピスト、古川貴子のブログ

試写会に行ってきました〜♪

歩く歩く・・・女の子がたったひとりで、1600キロの道のりを三ヶ月も。砂漠をつっきり、雪をかきわけ、森にわけいり・・・ カリフォルニアからオレゴンのはずれまで。山歩きの経験すらないのに。

これはベストセラーになったノンフィクションの映画化。

この彼女は、いったいどうしたというのしょう?

日々の生活で直面するさまざまな悲しみや痛み、不条理を、なんとか飲みこむようにやりすごし ・・・けれど「わたしのすべて」であった最愛の母の死にいたって、ついに制御不能に。こみあげてくる悲しみや孤独感をを麻薬やゆきづりの関係でうめようとするものの、お腹のこどもの父親すらわからない状態までに・・・。

そんな自分をどうにかするには、こんなみそぎしかない・・・それは過酷なコース、1600キロを歩きづつけること。

たった一人でもくもくと歩く日々。抑圧してきたいろいろな場面が走馬灯のようによみがえり、その痛みをひとつひとつ手のひらにのせるようにこころのなかで追体験していきます。まさに浄化、癒しのプロセスそのもの。

わたしたちはだれもがさまざまな悲しみ、痛み、折りあいのつかない気持ちをどこかに抱えつつも、それに気づいてしまったら大変! とばかりに、知らないフリを決めこみます。「そんなツライことはなかったのだ!」「わたしは大丈夫!」と。でも、平気なんかじゃないのです。・・・で、あるとき、もうどうにもそのすべてを押さえきれなくなってしまう日がやってきます。

見たくないものばかり放りこんできた押し入れがパンパンになって、ふすまがついには吹っ飛び、今まで見ないフリをしていた醜いものたちがせきを切ったように部屋全体にぶちまけられるような。そしてそれを目の当たりにして、アゼンとする自分。

そんなとき、セラピーに行く人もいれば、また再びおなじ押し入れに詰めこもうとする人もいます。

彼女はまるで「行」をおこなうように歩いたのです。

この映画を見ながら、スクリーンのなかの過酷な道を彼女と一緒に歩くことで、少しは自分のこころのみそぎになるかもしれません。

主演のリース・ウィザースプーンって、キュートでオシャレなイメージの役が多かったけど(シャネルスーツにチワワをつれたバーバードビジネススクール生なんていうのもありましたっけ)、今回はノーメークで過酷な自然をサバイバルします。

邦画の女優さんたちはこんなシチュエーションであろうとも、ご自分の美しさのほうを優先されてばっちりと美しく画面におさまっていたりします。リアル感よりも、女優さんとしての見た目のほうが大切? その点、ハリウッドの女優さんはけっこう容赦なくボロボロです。

そのむかし、シャーリーズ・セロンの「モンスター」という映画があったけど、すごい役作りでした。あの美しい方がデブデブぶよぶよ、おそろしく人相が悪い。こんなになって大丈夫なの?というぐらい迫力ありましたっけ。スゴイね。

PS 「わたしに会うまでの1600キロ」は、8/28から公開されるようです。