お友だちのオペラ公演にお招きいただきました。
演目は、ヴェルディの「リゴレット」。吉原圭子ちゃんは、この作品の要となるジルダ役でご出演です。
「リゴレット」はヴェルディの代表作であることは知っていましたが、ストーリーはいまいち把握していませんでした。それが・・・ けっこうショッキングなストーリー展開でドキドキ☆
リゴレットは宮廷道化師。彼には、家にひっそりとかくまう最愛の娘 ジルダがいるのです。
しかし、リゴレットが仕えるマントヴァ公爵はどうしようもない女好きで、ついにその毒牙がジルダにおよぶことに。
それを知ったリゴレットは怒りに燃えて、公爵の殺害をはかります。しかし、その企てはうまく運ばず・・・。
ストーリーのおもしろさと、アリアや重唱の美しい旋律にグイグイ引きこまれました。
この作品のなかで、まさに誰もが知っているカンツォーネ「女心の歌」が歌われます。それは、明るく晴れやかなメロディーなのですが ・・・
まさかのまさかの展開で、それが悲劇の結末への伏線となっているのです・・・(曲だけ聴いていたら、こんなストーリーはおもいもよりません!)。
リゴレットはこのカンツォーネの歌声を遠くに聴いて、ガクゼンとします。なぜなら、その声は殺害したはずの公爵の歌声だったから。では ・・・ いったいあの袋に入っている屍は誰なのか?!
リゴレットは、そこに息絶える寸前の愛する娘の姿を見つけます。
自分の策略によって、まさか娘をあやめることになってしまったとは・・・。リゴレットは、泣き叫びます。
リゴレットの娘への溺愛は失う怖れへと姿をかえ、ジルダを監禁状態で育てることになりました。また、公爵も自分のなかの空虚さという怖れの気持ちをうめるために、つぎからつぎへと女性を求めることをやめられません。まさに、ふたりとも怖れの権化。
そこにジルダは、まるで無垢な愛の象徴のように存在しているのですが・・・
結局、怖れの気持ちは怖れの結末を招き ・・・ ジルダを巻きこみながらストーリーは破滅へとむかうのでした。
敬虔で清純無垢な、愛のシンボルのようなジルダは、圭子ちゃんにぴったりの役柄でした。ご本人もいちばん好きな作品だそうで、学生の頃からお勉強されているそう。
圭子ちゃんのアリアもうっとりするほど優しく美しく(ご本人の作品愛もあふれていて)、いつまでも聴いていたい気持ちになりました。
ああ、また観たい!と感じる、すばらしい公演でした。ありがとうございました♡
↓パヴァロッティさんの歌う、悲劇の予兆となるカンツォーネ「女心の歌」。