古い映画にこころ惹かれます。これは1946年の作品。アメリカではクリスマスシーズンに放送される定番だそうな。
お家のなかも屋外も全部セットだとわかるほど手づくり感が満載で、どこかディズニーランドのようですが、それがメルヘンチックな雰囲気を醸し出しています。
決して豊かな時代ではないにもかかわらず、人々はそれぞれおしゃれをして、お家のなかをきれいに飾り、ささやかながら日々の暮らしを楽しんでいる様子。この時代の女性は、ばっちりメークにかっちりカールで、おうちでもパールのネックレスにレースのワンピース?!女子力、ハンバないです!
世界中を旅して、貿易の仕事につくことに憧れるジョージ青年。彼は父親の会社を継ぎ、狭いオフィスのなかで一生を終えることを拒否します。
しかし、父は急逝し、どうにもならない現状がつねに彼の夢のまえに立ちはだかります。仕方なく、弟が継ぐことができるまで会社をひきうけることに。
あれやこれやが次々と起こるうちにすっかり夢はついえて、それでもジョージはその現実のなかでつねに思いやりをもって決断し行動してゆくのですが・・・ついになにもかもが行き詰まり、意欲を失うときがやってきます。
夢破れたジョージは、「生まれてこなければよかった」と自分の命を断とうとします。すると、待ってました!とばかりに、嘆きを耳にした守護天使のクラランスが突然ジョージのまえに現れ、ジョージを「彼が生まれていない世界」、つまり彼が存在していないパラレルワールドに連れてゆきます(この時代にしては、なかなか斬新なストーリー運び!)
彼の顔見知りの人たちが、変わりなく暮らしているように見えますが・・・なにかがおかしい。彼らはジョージなんていう人物はまったく知らないのです。さらに、彼らはジョージが知っているような彼らでさえなかったのです。
つまり、ジョージが知っているみんなの人生が、彼がいないことでまったく違うものになっていたのでした。ジョージはそれを見て、ショックをうけます。
そしてクラランスは言います。「ひとりの命は大勢に影響し、その人間が欠けると世界は一変するのだ」と。
そうと知った彼は・・・。
たしかに〜。
私の人生で、もし○ちゃん、△さん、□くん etc・・・がいなかったら、決して今の私じゃありえない!と断言できます。
ふだんはそれほど意識していなくとも、どれほどお互いがお互いに影響を及ぼしあって生きていることか。どれほど、そのひとりひとりによって助けられ、励まされて、支えられ、導かれて、愛をうけとり、喜びをわかちあっていることか。
そしてそこで受けとったものがまた、バタフライエフェクトのように全体へと広がってゆくのです。
ジョージがガクゼンとしたように、私も「もし○ちゃんがいなかったら」「△さんに出会わなかったら」・・・と、しばし彼らのいないパラレルワールドに想いをはせてしまいました。
コロナ自粛で隔離されているように感じている今、不思議とふだんよりも「つながり」「きずな」「安心感」を感じます。それは、まさに私に与えられているひとりひとりからの支えや愛情という贈りもののお陰なのだな〜とあらためて感謝しました。
まわりにいてくれるひとりひとりが、ガーディアンエンジェルなのだな〜と感じます。(彼らに、背中に翼がプリントされてるTシャツでもプレゼントしなくちゃね!)
涙壷度:★★☆☆☆(ほっこり、じんわり、そして涙)
PS 1940年代の暮らし、ファッション、そして恋愛の仕方も楽しめます♪