お茶の間シネマトーク「ハロルドとモード」

古川貴子のブログ、ヒプノセラピー/カウンセリング

「歳を重ねたら、これをやりたいと思っていたの!」と黒柳徹子さん。それは、今演じていらっしゃる「ハロルドとモード」という舞台のお話。

「ハロルドとモード」?? あ〜、むかし、この映画を観たのを思い出しました。

裕福な家庭で何の不自由もなく育ったハロルドは19歳。かなりの無気力青年です。

唯一情熱を傾けられるのは、自身の自殺劇。自分の自殺を演じることについては、あの手この手が尽きません。母親が連れてくるお見合い相手のまえでもそれは繰りかえされ・・・。

そんなハロルドが出会ったのが79歳のモードという女性。世間から見たら、「変わりもの」のレッテルを貼られそうなキテレツおばあちゃんなのですが、二人はあっというまに意気投合します。

どんな常識も通用しないモードの生き方に触れて、ハロルドのこころが解放されはじめます。

そして、ハロルドはついに思うのです。「モードを愛してる! 自分が結婚したいのはこの女性だ!」と・・・。(→予告を見る)

今回この映画を見直してみたのは、この二人はいったいどうなったんだっけ? という疑問から。

なるほどね〜・・・。何にもとらわれることがないモードならではです。

観ながら、「もし、私だったらどんな結末にしたかしらん?」とパラレルワールド的な別のエンディングをイメージしてみました。あれもありだよね!これもありだよね! と、楽しい妄想がふくらみました。

はじめは「老女」感バリバリのモードなのですが、ハロルドがこころを打ち明けたあたりから、「あらっっ!!モードったら、すんごく女子だわ! かわいいっ!」とびっくり。

ほっぺはピンクで、お肌はつやつや、表情もどこか初々しく、ハロルドを見つめる瞳も輝いているのです。そして、棒っきれのように頼りなげだったハロルドも、どこか紳士的な雰囲気に!

この映画は1971年の作品なので、今だったらそこまでビックリしない話であっても、その頃はもっと抵抗感があったのかもしれません。

でも、「世の考え」を抜きにすれば、人と人の出会いなんて、いちいち年齢なんて気にしていないように思います。まわりに言われてはじめて、「私っておかしい?」と自分を疑ったり、あるいは先に「歳が違うから」と自分からブレーキをふんでこころを閉ざしてしまうのかもしれません。

人との出会いは、こころとこころの出会いですものね。こころである自分のまわりに余計な信念や考え、ルールがくっついていなければ、誰とでも純粋に出会えて、大切にしあえるのだと感じます。

そんなモード、黒柳さんにぴったりの役ですね〜。