「誰かに優しくしたとき、思わぬ形で優しさが返ってきた」という経験をしたことはありませんか?
「自分が与えるものこそが、自分が受け取るもの」という言葉を、耳にしたことがあるかもしれません。 一見シンプルですが、人間関係や日常の出来事でもこの法則はよく見られるもので、実はとても深い真理を含んでいます。今回は、この言葉が意味するものと、そこから生まれる気づきについてお話しします。
自分が与えるものこそが、受け取るもの
この言葉は、私たちの生きる世界で働いている不動の法則を表しています。つまり、自分が与えたものしか受け取ることができないということです。あるいは、与えてしまったのなら、それを受け取らざるを得ないということでもあります(それが苦痛や痛みであっても、です)。
これを聞いて「じゃあ、たくさんモノを与えれば、さらにたくさん戻ってくるのか!」と考えがちですが、実はそう単純な話ではありません。

動機が結果をつくる
ここで言う「与えるもの」とは、個体のモノではなく、それを与える「こころの姿勢や動機」を指しています。
例えば、たくさんのプレゼントを友人に贈ったとしても、その背景に「相手の注意をひきたい」という気持ちがあると、逆に不安な気持ちが増してしまうことがあります。
一方、「笑顔であいさつをする」というような小さな行動でも、その背後に感謝の気持ちや優しさがあると、相手からも自然と笑顔がかえってきたりします。すべてはひとつで、つながっているからこそ、自分で自分に与えていることになるのです。
欠乏感を受け入れて解放する
欠乏感や怖れ、罪悪感を抱えたままでは、いくら外側に与えても、その気持ちを強める体験を引き寄せてしまいます。
こうした感情があるときには、忙しく外側の行動に走るよりも、まず「自分の内側に目を向ける」ことが大切です。自分の中にある欠乏感や怖れを、避けたり無視したりせず、正面から向き合い、「この感情を感じても大丈夫」と優しく声をかけ、無条件に受け入れてみましょう。そうすることで、その感情は少しずつほぐれていきます。
安らぎの心が世界を変える
欠乏感や不安をやわらげたら、次は「自分のこころの中にある安らぎ」を意識してみるようにしましょう。心を凪のように静かに穏やかに落ち着かせることで、安らぎの視点から世界を見ることができるようになります。
安らぎの心は、すべての源である内なる平和とひとつであることを思い出させてくれます。その状態で世界に向き合うことで、自分が世界から受け取るものもそのような安らぎに満ちたものになることでしょう。

実践の提案
3分間、自分の心の声に耳を傾ける時間を作ってみましょう。どんな感情も否定せずに、胸に手を当てて、深呼吸を3回しながら、自分の中の小さなこどもに寄り添うようなイメージで、ただ静かに感じてみましょう。
そのまま受け入れることでその感情はしだいに治まっていきます。そして、心を静かにすることに意識を向けてみましょう。そうすることで、豊かな与える存在になる第一歩を踏み出すことができるでしょう。
♪ まとめ ♪
安らぎの心を持つことは、与えたものが豊かに返ってくる鍵となります。「自分が与えるものこそが自分に戻ってくる」という法則を思い出し、安らかなこころで自分の目にする世界を変えていきましょう。それは、あなた自身への最高の贈り物でもあるのです。
安らぎの心を持つことで、あなたの世界は自然と豊かさに満ちていきます。今日もあなたにとって、安らぎの第一歩となる一日になりますように。
(「気づきの日記」バックナンバーはこちら: 古川 貴子/ ヒプノセラピー・カウンセリング )