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ほんの目立たないビルの一角、地味な階段を降りた先にそのお店はあります。板長の顔をみるなり、「むむっ、これはデキる!」というイイ予感。料理人というよりは、むしろ格闘家っぽい、しまった闘志のあるお顔をなさってる。ほどなく、案の定、店の若い衆をしかりとばす声がして、これはなかなか気骨があるとみた。きっと、こだわりのきっちりおいしい和食をいただけそうです。
予感は的中!和食屋さんひしめくこの恵比寿で、ひさびさに正統派、まさに和食の王道に出会いました。汁物、炊き合わせ・・・どれにしても、お出しが絶妙。私だったら、絶対あとひとつまみ、ひとしずくのお塩、お醤油をくわえたくなるところ。そこをぐっと思いとどまって・・・・すばらしく素材自体の味わいを引き出しているのです。
帰りしな板長が見送りに出てくださったのですが、遠くからみた様子とまったくちがってなんと柔和な表情。包丁をもったときの厳しさと、本来の穏やかさ、これがこの素晴らしいお料理の隠し味だったようです。
お店は、ほぼ満席。一人でカウンターに坐るガイジンさんまでいらっしゃる。「食彩 かどた」、癒されたいときには、ぜひどうぞ。やさしい味わいの10品、楽勝で胃袋におさまります。