お茶の間シネマトーク「いまやシニア!デ・ニーロさん」

ヒプノセラピスト古川貴子のブログ

この時期、美しい紅葉やクリスマスの華やかさに彩られた N.Y. を舞台に胸がキュンとなるラブロマンスが定番のはずでしたが、最近はめっきりお目にかかれなくなりました。

今どきの若者は、賢くも恋愛の不毛なカラクリに気づいてしまい(笑)、「自分のこころの穴は自分で埋めよ!」と完全なる自給自足で満足をえることを悟ってしまったのでしょうか?・・・ あるいは、たんなるものぐさ?? (^。^;

さて、そんなわけで、この季節にアン・ハサウェイというラブロマンスにぴったりのヒロインを迎えながらも、これは(「マイ・インターン」)、まったくラブストーリーではありません。(いえ、ある意味じゃ、普遍的な愛、友情のお話しですが。)

N.Y.のアパレル会社の若き創業者であるアンが、70歳のロバート・デ・ニーロを高齢者雇用のインターンとして受け入れます。1秒たりともムダにしないような猛烈CEOのアンは、ロバートのペースにイラつきっぱなし。追い出そうとさえするのですが ・・・。

デ・ニーロもついにおじいちゃん役です。そういえば、あのギア様でさえも、新作の「マリーゴールド・ホテル」にデビューしていますね。(「マリーゴールド・ホテル」とは、わけありシニアたちが終の住処をもとめて移住したインドのホテルなのですが、どうにもならないほどオンボロだったのです。 ・・・どうやら、そこにギア様までもが移住、参戦?!来年春に公開されます。あの「プリティ・ウーマン」で、まさに白馬の王子様を演じたギア様もそんなおトシかと思うと感慨深いものがあります。)

この「マイ・インターン」では、結局はデ・ニーロさんが発する独特の雰囲気が癒しにつながっていき、アンが大切なものを失いそうだったところで救われるのですが・・・。

まさに、一億総活躍社会は世界的な動きです。たしかにシニアは、現役バリバリな頃と同じ働きができないのはいうまでもありません。でも、そんなことはまったく大切なすべてではないということ。その存在のなかにある歴史や経験、智恵は、お勉強して身につくものではありません。

ときどき思います。政治家の半分を小中高生というティーンと現役をとっくに退いているおじいちゃん、おあばあちゃんたちにしてみたらどう?って。ぜんぜん違う発想や方向性が生まれそうです。さまざまな物語のなかでも、大切なカギを握るのはいつも純粋なこどもと賢者としての老人なのですよね。(一作目の「ベスト・キッド」は老人とこどものコンビですね。)

「マイ・インターン」にしろ「マリーゴールド・ホテル」にしろ、歳をかさねてゆくことでえられる「解放感」がうれしく感じられます。