ゲイリー・マーシャルのラブロマンス「ニューイヤーズ・イブ」が、タイトルのごとく年末の一本。
前作の「バレンタインデー」同様、さまざまな人たちの大晦日の様子が描かれています。今にも死にそうな高齢の男性、BFと年越しの Kiss をしたいティーンエイジャー、どうしても娘と過ごしたい心配性の母親、気まずく別れたのに突然再会してしまった男女、大晦日に仕事を辞めてしまったまるでイケてない中年の女性などなど8組のニューイヤーズ・イブ。
結局すべてのストーリーに共通するのは、わだかまりを手放して許すこと。そうだね〜。知らないうちにわたしたちはいろいろなこだわりやわだかまりを握りしめていて、じつはそれが原因でにっちもさっちも行かなくなっていたりします。
観終わって、えっ?あの死にそうな老人がロバート・デニーロ?あのイケてないオバさんがミッシェル・ファイファー?といろいろびっくりします。
そして、新年の一本めは「リアル・スティール」。ロボット VS ロボットの格闘技。現代版「鉄人28号」と正太郎少年という感じです。
人と人の格闘技は痛そうで見ていられませんが、ロボットなら話しは別(と、いってもけっこう痛そうだ・・・)。この超高性能ロボットの戦いは迫力です。大きな鉄の塊がぶつかり合う音だけでも、けっこうストレス解消になっちゃいます。おもしろかったです。予想外に結構泣かされました。
そして、あともう一本は「サラの鍵」。
去年公開された「黄色い星の子供たち」同様、1942年にパリで行われた「ユダヤ人一斉検挙」にまつわるストーリー。
その朝、ユダヤ人の小さなサラは幼い弟を水や食べ物と一緒にクロゼットの中に隠し鍵をかけるのです。そして両親とともに検挙され、収容所に送られるサラ。しかし、いつまでたってもクロゼットの中の弟が気にかかり、ついには鍵をにぎりしめて収容所から脱走・・・・。さて、このこの家族で生き残ったのはいったい誰なのでしょうか?
そして時代は今。一人のジャーナリストの女性がこの過去の一斉検挙について取材するうちにある事実をつきとめます。自分の住もうとしているアパートはサラが弟を隠したクロゼットのあるアパート。そこから彼女の人生は今までとは違った方向へと動きはじめます。彼女はアパートを返すべくサラを探し出そうとします ・・・ 。
たとえ見知らぬもの同士であっても、わたしたちは互いに大きな影響を受けあって人生を歩んでいるのですよね。時として、家族や近しい人よりも見ず知らずの人からの影響が人生を決定的に方向づけてしまったりします。
ホロコーストに関しては、ほんとうにたくさんの胸が痛くなるような愛の物語があります。そしてこんな劇的な時代が祖父母や父母の時代という手の届くところに存在していることに今さらながらショックを受けてしまうのでした。